東京・府中の大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)では、毎年4月30日から5月6日にかけて「くらやみ祭」を開催しています。
名前からして怪しげな雰囲気ですが、くらやみ祭には歴史とともに語り継がれてきた伝統もあります。
今回はくらやみ祭の今年の日程と、名前の由来やどのように受け継がれたかなどの歴史についても紹介します。江戸時代を彷彿とさせる神輿のある伝統行事に参加する前に、ぜひご覧ください。
くらやみ祭【2023年】スケジュール
くらやみ祭開催ちゅう
FUちゅう中のやんちゃBOYS & GIRLS
集ってるような…あっちすごいいるよ、人。 pic.twitter.com/R3MUpeqvhc— えみお(3○) (@emiryan_eki) May 4, 2022
- 名称:くらやみ祭
- くらやみ祭、開催期間:2023年4月30日(日)~5/6(土)
- 開催場所:大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)、旧甲州街道を一之駒から六之駒まで
- 観光客:毎年70万人ほど
- 住所:〒183-0023 東京都府中市宮町3-1
- アクセス:京王線府中駅より徒歩5分/JR武蔵野線・南武線府中本町駅より徒歩5分
- 連絡先:042-362-2130 FAX:042-335-2621
くらやみ祭は11世紀から続く文化芸能で、毎年1週間かけて行われます。ただ、神官たちだけの行事も多数ある上に、コロナ化などで簡略化されているそれぞれの日に何をするか、個別に見ていきましょう。
品川道の道標(品川区中延)
品川道は府中と品川を結ぶ古道。
「現在も大国魂神社のくらやみ祭は品川沖でお浄めの海水を汲むところから始まります。」そうなんだ! pic.twitter.com/kXtc12WOJE— 上池台散歩日記 (@k_t0u) February 2, 2023
「汐盛り」と呼ばれる神事。神職一行が品川海上に行き、「清めの汐水」を神社に持ち帰ります。くらやみ祭の一連の行事の始まりですが、一般ではなく神職関係者のみで行われることが多いです。
祭りの間中の安全と、雨が降らないことを祈る祭典をします。
神輿に付ける鏡8枚を塩で磨き清める儀式です。昔はこの鏡を神輿につけていたけど、今は本殿に納めて神輿にはつけません。
【目的】鏡とは己自身だけでなく己の心をも映し出す物であるということから、鏡を磨く事により神輿奉持者の心も磨き清めることを意味します。
【由来】その昔は高価であると思われた鏡を神社に奉納し、神輿に乗せたその鏡を叩き、その音で魔を払ったとも思われています。魔除に使用する鏡を祭礼前に清めるのは必要不可欠な神事なのです。
山車が10台出てきてお披露目をし、旧甲州街道を一之駒から六之駒まで、6頭が200mの距離を3往復します。くらやみ祭の一番の伝統行事でもあります。
【目的】国司時代より府中周辺では牧場が多数あり、朝廷に献上する騎馬を選ぶために街道を往復する伝統行事です。「馬の品評会」的なイベントのため、速さを競うものではありません。
【装具】騎手は烏帽子・直垂などの伝統衣装を身にまといます。
- 【御綱祭】9:00~
神輿に飾りの綱を掛けてお祓いをし、御霊がお移りになる準備を終了します。 - 【萬燈大会】12:30~
地元の青年会が中心となり、毎年制作する万灯の出来映えやそれを操る者の技、力強さを競い合います。 - 【子供神輿渡御】13:00~
子供神輿約20基をお祓いし、その後子供神輿が参道からけやき並木へと、町を練り歩きます。 - 【太鼓の響宴】17:00~18:00
日本最大級の大太鼓が神社大鳥居前に揃います。力一杯に打つ音が府中の空に響き渡る、一大イベントです。 - 【山車行列】18:00~21:00
大鳥居前の旧甲州街道とけやき並木を中心に、市内から22台の山車が囃子を競演しながら巡行します。提灯の明かりに灯された山車が幻想的な世界をつくりあげ、多くの観光客が見学に来ます。
- 【例祭】10:00~
年中行事で最も重要な祭儀です。 - 【道清め】12:30~
神輿・太鼓の通る道をお祓いして歩く儀式です。神輿の渡御に先立ち、その道すじを祓い清めます。 - 【太鼓送り込み】14:30~
太鼓が各町内から、随神門内と拝殿前に送り込まれます。約1時間ほどの間、太鼓が威勢良く打ち鳴らされます。 - 【宮乃咩神社奉幣】14:00~
境内摂社宮乃咩神社に行き奉幣行事を行います。 - 【御饌催促の儀】【動座祭】15:30~
細谷・浦野両氏により神前に供え、神饌の調理催促し、御霊を御本殿より神輿に移す事を神前に報告する祭典です。(一般非公開) - 【威儀物授与】【御霊遷の儀 】17:20~
神輿の露祓いの意味で奉持する刀や弓を渡す儀式(一般非公開)と、各神輿に本殿から御霊を移す神事(一般非公開) - 【神輿渡御】18:00~
【くらやみ祭のメイン】花火の合図とともに6張りの大太鼓が打ち鳴らされ、祭の最大の見所である「おいで」と呼ばれる神輿渡御が行われます。8基の神輿は白丁を身にまとった威勢の良い担ぎ手と大太鼓に導かれ、御旅所まで渡御します。
- 【坪宮神事】20:30
境外末社坪宮に於いて奉幣の儀式を行うことを報告する神事です。 - 【野口仮屋の儀】22:10ごろ
大國魂大神が当地に降臨したとき野口家に一泊の宿を求めた故事に基づく事柄を具現する神事。宮司と神職は野口仮屋に向かい、そこで主人の野口氏の接待を受ける儀式です。 - 【やぶさめ式】22:30~
宮司は野口仮屋から神馬に乗って御旅所へ戻り、その北門前で馬上から弓を引き的を射る神事(但し鎌倉の鶴岡八幡宮等で行われる流鏑馬とは趣を異にする)。やぶさめの儀では矢が必ず的に当たるので、当社では「やぶさめあたり矢」という名前で御神矢を授与しています。
なんだかよくわからない儀式もたくさんありますが、観光客として見に行くならば5月3日、4日、5日の夕方ごろが一番盛り上がるのでおすすめです。
その時間帯に屋台も一番出回りますが、22時ごろにはさすがにたたむ店が多いので、夕飯時の20時くらいが屋台目当てで行くならおすすめですよ。
くらやみ祭の歴史
大雨の中、大國魂神社へ参拝に
大國魂大神を武蔵国の護り神としてお祀りした社です
西暦111年5月5日創立。大化の改新(645年)で武蔵国府がこの地におかれてからは、武蔵国中の神社を集めて祭典が行われました。武蔵総社といわれる起源です
毎年5月5日のくらやみ祭は関東一帯集まり賑わいます#御朱印 pic.twitter.com/xOMSd9chmP— ⛩️ようお詣りです (@burariikantou) June 8, 2022
くらやみ祭は、なんと600年以上続くとか、11世紀から続くと言われている、伝統的祭礼です。もともと府中の大國魂神社の当たりでは、一帯が牧場で馬を飼っており、朝廷に奉納する馬を検分するセレモニーとした起源を持っています。
その際に神に祭ったり神輿を掲げたりして、参加者だけで1万人。観客が連日で70万人以上来る大規模なお祭りとなったのです。
くらやみ祭で事件が起きたことがある?
くらやみ祭は古くから「提灯祭」、「喧嘩祭」、「雑魚寝祭」などの異名を持ちます。「提灯祭」はともかく、「喧嘩祭」はその名の通りケンカが活発に行われる印象だし、「雑魚寝祭」は祭りの最中にカップルが多く誕生したことを連想させますよね。
もともと日本の「祭り」には同じような側面があるので、大国魂神社のくらやみ祭のみではありませんが…くらやみ祭は夜に行われるため、ケンカが勃発しやすく、男女の出会いの流れになりやすいというわけです。
近年は「暴力」と祭りのイメージを切り離そうと、主催者側が工夫を凝らして品行方正に祭りを楽しめるよう、工夫されているようですね。
くらやみ祭【2023年】まとめ
- くらやみ祭、開催期間:2023年4月30日(日)~5/6(土)
- 特に5月3日、4日、5日が見どころで多数の観光客が訪れる
こんにちは